2017/11/01 千代田区立九段中等教育学校の職場体験学習を受け入れました

日本道路グループは、CSR経営の一環として10月30日、31日の2日間、東京都千代田区の区立九段中等教育学校の職場体験学習に協力いたしました。同中学校からの職場体験学習の依頼は初めてです。大田区多摩川の日本道路㈱技術研究所、環境緑化㈱、2社合同で実施し、第2学年男子生徒1名が来訪しました。

はじめに

千代田区立九段中等教育学校では「社会人と接することで社会の一員であることを自覚し、自主的かつ主体的に社会とかかわること」「働くことの意義について考える」「職場体験を通じて、自己の適正を知り、自分の将来について考えるきっかけとすること」「社会で通用する常識やマナーについて考えること」などを目的として、職場体験学習を行っています。
今回は、日本道路㈱技術研究所の研究開発業務、環境緑化㈱の大田区立公園の維持管理現場作業など、2社の特徴ある業務を経験していただきました。

初日・日本道路㈱技術研究所

◆様々な舗装に関わる試験
冒頭、㈱技術研究所常松直志副主任研究員より「リラックスしながら、積極的に質問をしてください。あまり外から見てもわからない会社だと思うので、ぜひ仕事をすることで楽しんで、また有意義なものにしていってください」という挨拶がありました。
午前中は常松直志副主任研究員より、会社概要と道路舗装コンサルタントの仕事についての説明を受け、舗装の手順なども学習しました。また、アスファルト針入度試験で使用する円筒供試体も実際に見て、舗装がどのような層に分かれているのか、それぞれの素材の違いを見ました。

すべり抵抗試験(BPN試験= British Pundulum Number)を行いました。設置方法から、数値の読み取りまでの説明がされました。生徒さんからは「機械が思った以上に重かったです」という素直な感想を述べていただけました。

排水性舗装の効果を体験できる模型(排水性舗装比較装置)を見て、2種類の舗装で水のたまり方、水の跳ね方が大きく違うことを確認しました。

また学校で利用する顕微鏡よりも高性能なマイクロスコープを使い、小さな石の粒などの凹凸など立体的に見ました。さらに、実際に自動車メーカーのテストコースに舗装される合材の供試体を試験作成している様子も観察し、通常見られないような研究を間近で体験をしました。石の表面を3D画像で見ることができ、生徒さんは「目で見るとすべすべな石でも表面は凸凹なのですね」と驚いていました。

◆アスファルト合材供試体の作成
午後には、アスファルト合材の供試体を実際に作成しました。まず社員の手本を見た後、指導を受けながら、実際に材料を配合し、加熱混合するといった手順で行いました。材料を満遍なく加熱するために、アスファルトと石材をかき混ぜる必要がありますが、材料一つひとつに重量があるので、多くをすくうことが難しく、混ぜ合わせるのは一苦労といった様子も見受けられました。作りあげたアスファルトの体積や密度なども計算機を使って算出しました。生徒さんは「数学を初めて実践で使いました」と感想を述べ、満足そうな表情を浮かべていました。

最後に技術研究所遠藤桂副部長が「大変お疲れ様でした。普段歩いている道路がどういうものなのか、少し覗いてみるといろいろなことが分かったと思います。本日体験したことが活きてくれれば私たちも非常に嬉しいと思います」と挨拶をしました。

最終日・環境緑化㈱

冒頭、環境緑化㈱生井智行社員より「午前は本日使う日報の資料作りと会社の概要の説明をします。午後は公園の方で点検を一緒にしてもらいます。初めて体験することだらけだと思いますが、一緒に楽しみながら有意義な時間にしていってください」と挨拶がありました。
環境緑化の会社概要説明の後、午後から体験をする公園維持作業のための日報をパソコンで作成しました。Excelを扱うのは初めての生徒さんでしたが、表の作り方や罫線などについても質問をしながら取り組んでいました。また、過去の日報を参考にし、午後からの作業のイメージを膨らませていました。生徒さんからは「初めてExcelを使ったので、小さい「っ」を入力するのも結構難しかった」と感想をいただきました。

午後は、現在大田区から受注している「大田区公園維持作業委託」に基づき、管理業務31か所のうちの1つ「南前堀緑地」において、複合遊具、ブランコ、時計や園内看板の点検を行ってもらいました。実際に遊具を使う子どもが危なくないかという目線、あるいは公園を利用される、また通りかかる人々に間違った情報、不快な思いをさせないかという目線で点検を行いました。生徒さんからは「普段遊んでいる公園に、チェック項目が予想以上に多くて驚きです」との感想をいただきました。
自転車置き場には放置された自転車も多く、警告札を貼り付け、利用者に警告を与えることを実際に体験してみたり、時計は表裏両面で時間がずれていないか、また見やすくガラス面は磨かれているかなどまでチェックしたりと、限られた時間の中で数多くの点検箇所を確認しました。


帰社後、撮ってきた写真の掲載とコメントをつけることで作業日報を完成させました。
担当した生井智行社員より「外の作業もお疲れ様でした。私たちはこんな作業をしている会社ですが、今後も近所の公園をぜひ気にかけてみてください」との言葉を受け、生徒さんは「予想以上に点検することが多くてびっくりしました。日頃見ていた公園は今日のような細かい点検をされているからこそ、綺麗に使えているのだな」と感想を述べ、凛々しい表情を浮かべていました。
最後に環境緑化㈱鈴木博信社長が「2日間お疲れ様でした。1人での職場体験にも関わらず一生懸命取り組んでいただけました。高校生になっても興味を持っていただけたなら、ぜひ遊びにきてください。ご苦労様でした」と挨拶をしました。

おわりに

今回の活動を通して、生徒さんからは「2日間貴重な体験をすることができました。今までにない経験ができたし、また仕事の大切さもわかり、たくさんのことが学べました。普段歩いている道路や公園には様々な人が関わっていること、多くの仕事があることが分かりました」との言葉がありました。

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