2017/10/20 第8回「日本道路の森」間伐交流会 高知県梼原町にて 体験報告

10月20、21日に高知県梼原町の仲間(なかいだ)地区にある「日本道路の森」で、間伐体験交流会を開催しました。今年は、本社・中国支店・エヌディーリース・システム株式会社から31名(うち新入社員10名)が参加しました。この交流活動は今年で8回目となり、平成20年度に高知県と梼原町が進める「環境先進企業との協働の森づくり事業」のパートナーズ協定(注1)締結以降、新入社員を含む当社社員が間伐体験や手漉き和紙製作などを行い、地域との交流を深めています。

梼原町と日本道路の取り組み

高知県は、県土の84%が森林に覆われ、森林率が日本一の県です。
高知県梼原町は、標高1,455mにもなる三大カルストの1つ、四国カルストに囲まれた小さな町です。面積236.51㎢のうち91%が森林であることから資源を活用した地域社会の実現への取り組みがされています。公共施設を可能な限り木造で建築しようと資源循環型社会の実現の取り組みや、森林をベースとした地域資源を有効に連携させ、地産地消を行うことで、資源の有効な循環をさせる森林文化社会の実現への取り組みなどを進めています。
こうした取り組みの中、平成12年には梼原町森林組合がFSC(注2)の国際森林認証を団体としては国内で初めて取得しました。現在では、民有林のうち70%がFSCの認証森林として登録されています。

(注1)
本協定は、高知県・市町村等・企業の3者が主体となり、国内での温室効果ガス(二酸化炭素)の排出権取引制度の創設を視野に入れながら、環境先進企業と地域とが協働して「森林の再生」と「交流の促進」を柱とした取り組みを行うことで、現在手入れの行き届かない状況となっている森林(人工林)の再生を進めることを目的としています。
日本道路も平成20年からこのパートナーズ協定を結び、「日本道路の森」の森を通じて地球環境の貢献となれば幸いです。

(注2)
FSC(Forest Stewardship Council)とは、環境団体、木材取引企業、先住民団体、地域林業組合などが中心となり、1993年に設立された国際的な非政府組織です。

写真は梼原橋で元々はコンクリートで作られた橋でしたが、FSC認証材を使った橋に架け替えられ、現在は「木橋の里梼原」のシンボルとして親しまれています。

当社は、梼原町に出張所を設けており、2013年に老朽化が進んだことを受けて建替え工事を行いました。その際に、事務所建物に地元産出の国産木材を出張所の外壁・外階段・柱・梁などに積極的に使用しました。地元産材をふんだんに使用したのは当社としては初の試みとなりました。

梼原町総合庁舎

梼原町総合庁舎は、2020年東京五輪で使う新国立競技場のデザインを手掛ける建築家、隈研吾氏による設計で、「防災の拠点機能」、「住民の利便性」、「環境と梼原産材の利用」を踏まえ、平成18年に誕生しました。四万十川源流の豊かな自然環境に育まれた梼原産の杉材をふんだんに使用。館内全域に温かい木のぬくもりが漂っています。設計者の隈研吾氏によると、高知県産材については「木目も全体の色合いも含め、日本を代表する木の一つ」と絶賛するほどです。
一階ホールには、梼原町伝統の茶堂が設えられ、旅人をお出迎えします。町の歴史と風土の資材が融合した建物は、町民はもちろん、町外のお客様にも親しみを感じてもらえる建物として愛されております。

手漉き和紙製作体験

「日本道路の森」間伐体験交流会も8回目となりましたが、手漉き和紙製作体験は今回が初めての取り組みです。今回の和紙製作は「梼原和紙&紙漉き体験民宿 かみこや」(注3)のロギール・アウテンボーガルトさんにご指導を受けました。紙の原料としても有名なミツマタを使って紙を漉いていきます。日本紙幣の原料でもあるミツマタは非常に質の高いもので、高知県は日本で二番目の生産量です。ロギールさんから「化学繊維や科学色素、機械での製造がされない、質の高い原料や伝統的な作り方から生み出された和紙は1000年以上保存ができるものもある」というお話も伺えました。

(注3)http://kamikoya-washi.com/」「梼原和紙&紙漉き体験民宿 かみこや」URLになります。

間伐体験 当日

今回はあいにくの雨だったため、仲間造林組合の工場をお借りして間伐体験が行われました。はじめに仲間造林生産組合の土釜代表よりご挨拶をいただき、当社執行役員経営企画部長の楠田より挨拶がありました。
土釜代表がノコギリで丸太きりの指導をしてくださいました。実際に切ってみるとスギとヒノキでは木の硬さや密度の違うことを体感でき、特にスギは硬いため男性社員の中にも苦戦する姿が見受けられました。

丸太切り体験後、「日本道路の森」の前で記念撮影をしました。

食事交流会

間伐体験終了後に、地元の婦人会の方による手料理をいただき、地元の方々との親睦を深めました。温かい雰囲気に包まれた食事会場では、料理も美味しく、良い食事会になりました。最後に閉会の挨拶を当社執行役員経営企画部長の楠田が行い、土釜代表から記念品を受け取りました。

最後に

当社は人にやさしく、地球にやさしく、そして持続可能な社会づくりに貢献していくことがCSR経営そのものであると考え、「すべてのステークホルダーから『企業価値No.1』といわれる企業」を目指しています。
今後もこのような活動を通じて持続可能な社会への貢献を目指していきます。

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